俺のこの手が真っ赤に燃える!

♪ピロンピロンッ♪、
 ♪ピロンピロンッ♪
”──緊急地震速報です──”


だぁーーー!
微妙だが無視するわけにもいかない勝率の警報音が頻繁に流れる。
本震からひと月経ったというのに大きな余震が途切れない。


大きめの揺れが来ると、以前に気の迷い(?)で買った撲殺天使ドクロちゃんというドス黒いアニメに登場するザクロちゃんというキャラクターの安くて座りの悪い小さなフィギュアがバタッと倒れては造りも悪いので手足がバラバラに飛び散る。
その度にチマチマと手足をハメ込んで飾り直さなくてはならない。
ストレイシープというフジテレビの古いマスコット・キャラの大きめのぬいぐるみもボトボト落ちる。


もちろんそんなのは最大被災地に比べればまるで苦労とは言えない取り上げるには足らない話だ。
ただ、ちょうど今は右手の都合で家具や小物の配置を手直しするのも、こうしてキーボードを打つのも少しばかりやっかいな状態だ。
数日前の夜に「揚げ出し豆腐風」な料理を作った。
豆腐をブロックのまま、油を引いたフライパンで焼き目が付く程度に炒め焼く。
別鍋でスパムハムと菜の花と自家製干し椎茸をコンソメスープで炊いて自家製トリュフ塩で味付け。
片栗粉でトロミを付けて餡を作ったら豆腐の上から流しかけて完成。
うまそ〜〜〜。


崩れやすい豆腐を綺麗にすくい取るために左手でフライパンを傾ける。
右手に木べらを持って手のひらが上を向く形に構えて豆腐をすくう。
ツルッと木べらから外れて滑り落ちた豆腐が傾いたフライパンの角に溜まった油を跳ね上げる。
右手の甲側の見えない位置から油の飛沫が襲いかかる。


「うわっぢゃぁああああ!!!」


料理は完成したけど、右手の人差し指から小指まで4本をII度熱傷してグッタリですよ。
アツアツに湯気を上げる料理の横のキッチン前に座り込んだまま水道水で右手をヒヤヒヤにした。
その後病院で応急処置をしたものの渡された痛み止めもさほど効かずに、左手で右手首を掴んだまま高くかかげて、「シャァァァイニング! フィンガァァアアーーー!!」と一晩中唸らずにはいられないぐらい痛みが続いた。


次の日には大きな痛みは無くなったが指4本が包帯に巻かれてフランクフルトっぽい状態なので細かい作業が難しい。
大きな余震でザクロちゃんが倒れないことを願うばかりだ。
治ったらまずは揚げ出し豆腐にリベンジだな〜。

その時

住宅街を歩いていた。
14時46分ごろ。
さわっ、さわっ。
電線の揺れで気づき立ち止まる。
地震だ。


揺れは次第に大きくなっていく。
震源は遠いか?
地震の多い東京とは言えいつもとは違う予感がする。
少しして道路右側の4階建てのビルから6〜7人の中年男女が声を上げて飛びだしてきた。
何かの事務所だろうか。
仕事中のおじさん、おばさんといった感じだ。
道の反対側の2階建てアパートからもヤンキーな若いカップルが駆け出て来た。
二人とも同じような薄めのパジャマか、スウェットの様な上下を着てる。
ヤンキーと言っても、目を細めてボカシ観ればモザイクが消えて脳内補完で見えてはイケナイ物が丸見えになったような気がしてくる、ぐらいなヤンキー風味さ。
いや、よくわからんし。


自分も入れて総勢10人程度が路上に集まった。
ぐわん、ぐわん。
揺れはさらに大きく激しくなっていく。
おっとと。
動かずまっすぐ立つのが難しいほどだ。
道路が波打ち、電柱が折れるかヒビ割れしそうなほどしなってきた。
今までにあまり観た覚えのない光景だった。
さらに揺れる。
事務のおばさんが踏まれた餅のような声をあげた。
「ふやぁぁああー!」
おじさん達もどよめく。
ビルの上層の壁からパラパラッと粉が落ちてくる。
「いやん!こんなの初めてェーーー!!」
人と状況次第ではとっても魅惑的なセリフをおばさんが叫ぶ。
耳に残るから言うな!


最悪を予想して前後左右の高さのある建物、電柱に気を配る。
ヤンキーな女の子が、
「今お風呂に入ってたとこだから、パンツはかずに出て来ちゃったよぉ。」
と揺れながら言う。
そういえば長い茶髪は濡れている。
一緒にいるオトコは風呂に居たことを知ってるだろうし、いったい誰向けに説明してるのか?
この揺れの真っ最中に艶めかしいアピールなのだろうか。
よくわからないが呑気なセリフとまだ続く揺れとのギャップが面白くて三人で笑った。


ようやく長く続いた揺れもおさまってヤンキーなカップルはアパートに戻っていった。
一刻も早くパンツをはきたかったに違いない。
事務おばさん達と少しだけ雑談を交わしてその場を離れた。
しばらくの間は事務作業どころじゃないだろう。
その後予想以上に余震が連続する中、やっと家に戻り玄関を開けると爆風が吹き抜けたかのように家具が散乱して部屋は足の踏み場も無いほどだった。

「あひゃァ!こんなの初めてェーーー!!」

跳梁跋扈

人の不幸や大事に敏感な連中がいる。
一見そうは見えないような優しげな言葉や振る舞いと適度な叱咤激励で、大震災に乗じて浅ましい輩がゾロゾロと顔を出してくるだろう。

例えば放射線や何かの悪意などから身を守るといった、やたらと都合の良い効果を発揮する、水や浄水装置、生活用品、サプリメントやグッズ、などの販売もいつも以上に情熱的になるかもしれない。
ご注意を。



しっかし、”意識を持っていて故郷の鉱脈へ戻って穏やかになったからもう大丈夫!”、などというウランやプルトニウムの擬人化の話は、とりとめがなさ過ぎてどこがツボなのかわからない。
童話や絵本ならストーリー次第で有りかもしれないけど、幼児向けというわけでもなく現実に継続中の原発問題からのインスパイアなのだから感情移入が難しい、というか目がチカチカしてくる。
水の結晶なんかにも通ずるけど、どんなお花畑だ。

大自信

どこで見たのか忘れてしまったけど、今回の震災が”悪しき波動”によって起きた、なんて記事をネット上にチラッと見かけた。
人々の善悪的価値観が物理を越えるという演出は、創作物のファンタジーな設定としては定番的な強みが有るとは思うが、その程度までだとありきたりな発想にも思う。
現実と違って脳内は自由なんだから既製品に囚われずにもうちょっと出来の良い新機軸な大風呂敷を広げてもらいたいものだ。


3月11日
水からの伝言」著者:江本勝 緊急メッセージ
『波動時評:東北関東大地震に思う』


ファイルの最終更新日が19日になっているこのページだが、17日に見た時には「門前払いされた水の結晶観察地震予知方」以降の記事しか掲載されていなかった。
現在は頭に「2011年3月11日午後2時46分」という文章が追加されている。
そこには地震当日の様子が書かれていて、避難中に足を骨折して現在は入院されてるとなっている。


先に掲載されていた部分では、科学技術庁文部科学省)に「水の結晶観察地震予知方」が受け入れられなかった事にずいぶんと憤りを感じてる気持ちが書かれている。
そうやって以前から憤りを持っているなら、その予知法が採用・運用されていれば回避できたかもしれない地震によって骨折した事から話をはじめそうなものだが、11日から17、18日の間はケガのことを書く気がなかったのだろうか。


書いたが掲載しなかったのだろうか?


悲しみと怒りで足のケガを忘れてたのかもしれない。
ま、いろいろと事情はあるのでしょう。


自説に再現性が無いことで認めてくれない科学(会)に対して、「きめの細かい再現性はない」「今の科学では出来ない」と返して再現性を重視する科学(会)に疑問をあげるが、自説の地震予知には判定可能な再現性が有るらしい。
じゃ、やっぱり再現性の有無が重要ってことじゃん。


大衆受けしそうに人間社会を断罪し、都合の良い場面を選んで科学にケチを付け、そうかと思えば科学者を呼び込み、自説を擁護する。
これでもスピリチュアルやオカルトな信者は自分の気持ちを代弁してくれるようで心地良いのかなぁ。

一緒に写る

デジカメWatch
『TBS、“けいおん!!”のキャラと写真が撮れる「EXILIM」』


アニメ「けいおん!!」のキャラクターと合成写真が撮れるデジカメだそうな。
そう言えば詳しくは知らないけど、ゲーム「ラブプラス」でもAR技術を使ってキャラクターとの合成写真が撮れたと思う。


う〜ん、ぜひとも心霊写真が撮れるモードの付いたカメラを作ってくれないかなぁ。
レタッチで合成する方が手軽で精度も確実なんだけど、そこはやはり意図しないランダム性が欲しい。
もちろんパッと見にはリアルに思える精度で数十枚に1回程度写ると後で楽しめそう。


もっとも、嫌がる人がいそうな幽霊なんかより、構図パターンや色で空を判別して月や流れ星や虹を自動で浮かべてくれる方が需要はあるか。
せいぜい許されるのはUFOか、画面端からグレイが顔を覗かせてるとかになるのかなぁ。


しかし考えてみると、明らかに大きくフォーカスが外れててボケまくりの(自称)心霊写真てあまり観た事ないねぇ。
すると何か?
心霊写真にありがちなのはその写真本来の被写体の背後や少し離れた背景部分から幽霊が顔や手などをちょっと覗かせるというパターンだけど、そこからカメラの被写界深度内に収まるように気を配って自分の位置を前後に調節してるということか。
せわしないな、幽霊。


そういう手間をかけないように被写界深度が深めのコンデジ(マクロ撮影を除く)や使い捨てカメラの前にしか出ないのが霊界の一般常識なのかもしれない。
一眼だと広角レンズの風景撮りのみを確認してとか。
たまにはフォーカスのコントロールを奪って、背景を大きくぼかした自画像(幽霊の)をアップで撮影してもいいと思うけどねぇ。


こんなネタだと心霊スポットなどには霊的なARマーカーのようなモノがあるから写るんだよ、って話になりそう。

スターブレイザーズ

DVDで観た東京都知事 石原慎太郎 原案 「アニメ 宇宙戦艦ヤマト 復活篇」のあまりの出来の悪さ。
TBSラジオ伊集院光深夜の馬鹿力」で聞いた「実写 SPACE BATTLESHIP ヤマト」の予想通りの酷評っぷり。
そして、
今、万感の思いを込めて汽笛が鳴る(それは999だ)
そして、今、新たなヤマトが!


映画.com
『「宇宙戦艦ヤマト」ハリウッド実写化へ!』


なんつーか、
その、
まぁー、
なんだ。


波動転写エンジンの出力数値が120に達すると、淡々と過ぎゆく日々の中で心の拠り所を求めてフワフワと漂ってる人間の浮遊心理を吹き飛ばし、
「我々がしなければならなかったのは、戦うことじゃない、愛し合うことだった!」
と祈りを捧げると、琵琶湖の水が浄化され(た気がし)て救われる。『完』


なんて話はどうでもよくて、


今度のハリウッド版でこそ、ガミラス星にもゴキブリがいて、デスラー総統も飛んでくるゴキブリに恐怖したり、チマチマと紙製のゴキブリ捕獲器を組み立ててはキッチンに設置してる様子を描いて、初代アニメ版のゴキブリ発言の裏付けを見せて欲しい。


なんて話もどうでもよい。
そもそも「ヤマト」じゃないんだろーし。