くしゃみひとつで危篤に陥る状態 - 「はやぶさ」

午前9:30 からJAXA東京事務所で「小惑星探査機 はやぶさ」の状況を報告する記者会見が行われた。



スピン状態に陥り、太陽光を太陽パネルにあてることができず電力不足になっている「はやぶさ」。

姿勢制御用の化学エンジンの不具合のため緊急措置としてとられた推進用(帰還用)のイオンエンジンの燃料のキセノンガス噴射を試みたものの、噴射では出力が足りなくて姿勢を立て直すことができず現在は首振り運動(みそすり運動)状態で12月9日以降交信も途絶えてる。



12月上旬、中旬の地球に向けての帰還出発は不可能となり、これから一年間通常運用モードから救出モードに方針を変えて運用されることになる。



2007年春までに復旧できた場合はイオンエンジンを運転して2010年6月に地球帰還が可能になる。



プロジェクト責任者の川口淳一郎教授(プロジェクトマネージャー)は「はやぶさ」の地球帰還について、

「健全な探査機ならかなり自信を持てるのだが、現状はくしゃみひとつで危篤に陥る状態である。帰還は、重病人にポストまで歩いて貰ってはがきを出そうとしているようなものだ。」

と話す。



これから一年間で体勢を立て直して通信回復ができる可能性は70%。(注:帰還できる可能性ではない。)



設計寿命は4年間。それを越えての運用となっていくので機器の新たな故障などにも繋がることになり、どんどん帰還可能性は低くなっていく。







ぐはっ。



しかし、しかし、こんな難しい計画(そして面白い計画)を良くガンバッてきた。

リスクは伴うがやはり真似でない独自の計画はとてもロマンがある。

メディア報道的には「帰還延期・失敗?」のインパクトを大きく取り上げられそうだが、アイデア・独自性・ミッションの大半の成功ととても有意義な計画だったと思う。

(終わったわけではない!帰ってこい、はやぶさ!)



これからもリスクに対して萎縮せず、どんどんロマン有る計画を立てて貰いたい。

そして大きく夢を見させて欲しい。



宇宙航空研究開発機構 JAXA



はやぶさ」の即時的な報告・取材があります。

松浦晋也のL/D









── コメント追記(2010年6月15日) ──
はてなの仕様上他サイトからの移転時にコメント・ログを読み込めなかったため。)



突然で恐縮ですがご招待です
 「はやぶさ」にちなんだ雑学クイズを作りました。
 お近くへおいでの節は、どうぞ拙宅へもお立ち寄り下さい
http://blog.q-q.jp/200512/article_77.html
(ご迷惑でしたら、お手数ですがコメント、TBの削除をお願いします)

素町人@思案橋 2005/12/15 12:15 PM