元気な来訪者

うたた寝をしていた。



「ピンポ〜ン♪」



う?



「トントンッ」



う〜、めんどくさいなぁ。



プールでひと泳ぎした後の気だるく心地よい眠りから引き戻されたためテンションもゴリゴリに低い。

髪もバッサバサだ。

ドアを開けてみると若くて第一印象はなかなか良さそうな感じの人が立ってる。



「こんにちは〜〜!私、最近できた○○店の者ですけど、お近くなのでご紹介に寄らせていただきました〜!」



あからさまに怪しい元気さだ。

間違いなく妄想系の感触だ。



手渡されたハガキを見ると「風水・四柱推命・姓名判断・手相・人相・家相」などの文字がある。

(ほら、やっぱりなぁ。)

(カモがネタ背負ってやって来た!)

(相手したくね〜〜。)

(どうしてこの手の人たちはこのテンションなんだろう?)

といろいろ交錯する。



「利き手はどっちですか?もしよかったら!手相を見ますよ!」



と、手を差し出してくる。

K2 は知り合いから「あんたはアリジゴクだよ。うすら馬鹿かげろうに成長するよ。」と諸星大二郎のマンガのセリフのような事を言われている。

ブログのネタにもイイし、手を握ったらスリ鉢状の部屋に引きずり込んでもいいんだけど、前述のようにテンションが低い。



ハガキを見てみると、



「あなたの大事な時間を読み、未来と本性を導き出します。」



といった感じの文句が見える。

だから知り合いによると本性はアリジゴクなんだって。



「今、電話を待ってて時間無いんですよ〜、牛乳もかけなきゃいけないし、食パンも見なきゃいけないし、何かが溢れそうです。」



と相手を上回るようなよくわからない事を言ってあっさりと帰ってもらった。

商売に大事なコミュニケーションも取れず帰ることになったけど、懲りずにK2 が暇を持てあましていて、テンションの高い時を占いで調べてまた来てください。

すぐに引きずり込みます。

家を出る時はスカスカのパサパサになっています。

ハガキには店舗の住所も書いてあって、もしグッズ販売などをしてるなら一度見に行ってみてもいいかな。

ネタ用にだけどね。



(注:諸星大二郎のマンガのセリフはたぶん「うす馬鹿下郎」だったかな?「うすら馬鹿下郎」?忘れた。)